左写真出典:中川英二郎氏Twitter
右画像出典:杉山正の金管魂
日本を代表する(?)トランペット指導者(?)
高校3年生で吹奏楽部をやめてから金管楽器に触れることがなかった私ですが、今から5年ほど前にふと思い立ってトランペットを購入し、30数年ぶりに演奏を再開しました。
私が買った楽器にはマウスピースが付属していなかったので、何を買おうかネットでいろいろ調べました。
そこで最初に目に留まったのが、杉山正(すぎやままさし)氏です。
杉山氏はアメリカのトランペット奏者であり教育者であるクラウド・ゴードン氏(1916~1996)の愛弟子で、ゴードン氏の理論を受け継ぎ、後進の指導に当たっている方です。
もう一人は中川喜弘(なかがわよしひろ)氏。
トロンボーン奏者の中川英二郎氏のお父さんです。
全く正反対の二人~杉山モデル vs 中川モデル
このお二人はそれぞれ杉山モデル(Bob Reeves、Marcikiewicz)、中川モデル(YAMAHA)といったマウスピースを発売しています。
しかし、そのスペックが全く違う、というか正反対なのです。
杉山モデル | 中川モデル | |
カップ径 | - | なるべく大きいもの(※) |
カップ形 | Vカップ | - |
リムエッジ | - | えぐりあり |
スロート径 | 20(約4.1mm) | 28(約3.6mm) |
スロート長 | 短い | 長い |
バックボア | オープン | タイト |
※Bach 1-1/2(YAMAHA 16)以上を推奨
杉山氏の掲示板で中川モデルについて相談した人に対する回答で、杉山氏は中川モデルをやんわりと否定していました。
●●さん、××さん
(※管理人注:名前を伏せています)
お二人ともマウスピースに関して混乱があるようです。
まず金管演奏の原理のp64~p67のマウスピースの章を丁寧に読んでみて下さい。
その中に答えを見つけることが出来ると思います。
その上で質問があれば再度質問していただければ適確なアドバイスが出来ると思います。
逆に中川氏の掲示板ではこう書かれていました。(原文ママ)
>オープンなバックボア、深いVカップ、短く、大きなドリルサイズのマウスピースを使いなさい」ということでした。(※管理人注:読者からの質問)
全ては 歴史 ですね。
本当に CGモデル『オープンなバックボア、深いVカップ、短く、大きなドリルサイズのマウスピース』が、本当に正解でしたら 発売後30年以上を経てますので この情報網の発達した現在 少なくとも 10%~20% のプレーヤが使用していても良いと考えます。
取りあえずですが 私の知り得る範囲 『0%』ですね。
実は 私も1本ですが 所持しています、が、私は“使用不能”ですね。“型破り”と言えば“モネ”等は そうとう斬新ですが 実際に使用 使いこなしている奏者が多数いますね。
モネ 重量級楽器を 通常の95gマウスピース(ヤマハ バック等)では 使用は難しいと考えます。
楽器の組み立て方と マウスピースの条件(カップの深さ スロート 重量等々)は 密接な関係に有りますので只単に 「 オープンなバックボア、深いVカップ、短く、大きなドリルサイズのマウスピースを使いなさい」 といって簡単に使いこなしは困難と考えますね。
本当に良ければ もっと 流通していると考えますね。
もっとも 『駄目だ』と言う根拠も有りませんが・・・・・・・。
ガチンコ対決です(^^;
果たしてどちらが正しいのか?
実際に買ってみた
私は中川氏のコメントがもっともらしいと思ったので、まず中川モデルを一つ買ってみることにしました。
買ったのは「11C4N」です。
これはバック7Cに相当するので、それまで私が使用していた3C系よりだいぶ小さくなるのですが、3C系に少し限界を感じていたため、
ポピュラー音楽等でとりあえず短期間で結果を出したい方にお勧めです。
と記載のあった「11C4N」を買ってみることにした次第です。
中川モデルYAMAHA 11C4Nを使用した感想
前述した3C系の限界というのは、高音が出づらいということと、音がバサつくようになったというものなのですが、この11C4Nは音が非常にクリアで、しかも高音が楽に出るので、とても驚きました。
リムがフラットなので、口当たりが心地よいです。
まさに謳い文句どおりでした。
スロートが小さくタイトなバックボアということで、確かに抵抗を感じますが、むしろ少ない息で楽に音が出るといった印象で、私としては吹きやすい感じがしました。
ライバル?の杉山モデルと本家Bach 7Cも買ってみた
こうなっては、杉山モデルと本家7Cを試してみたくなり、買ってしまいました(^^;
Bach 7C
サイズ感は11C4Nと同じなのですが、リムの形状が全く違います。
11C4Nはほぼフラットなのに対し、7Cは内側エッジが立っていて外に向かって下降しているため、少しプレス気味にするとエッジが唇にささって痛いです。
私には全く合わなかったので、すぐに売ってしまいました。
これがなぜ「標準」なのか、私には理解できませんでした。
杉山モデルMarcikiewicz MS-7
サイズ感はやはり同じです。
リム形状は外側に向かって丸く下降する形ですが、内側はフラット気味で7Cほど立っていないので、唇が痛くなりません。
口当たりが心地よいのは11C4の方です。
スロートが大きく、オープンなバックボアということで、確かに息が入りやすく軽い吹奏感ですが、息が取られ過ぎてバテやすいという印象はありませんでした。
高音はそこそこ出ます。
ただ、Vカップということで音が柔らかい感じがします。
中川11C4N vs 杉山MS-7比較画像
リムは右の杉山モデルの方が外側に向かって丸く下降している形状です。
重さは中川モデル11C4が97.6g、杉山モデルMS-7が80.8gでした。
スロート径は杉山モデルがドリル20(約4.1mm)、中川モデルがドリル28(約3.6mm)。
見た目で違いがわかります。
(後で気付いたのですが、杉山モデルのスロートにゴミが挟まっていました(^^;)
ただ、スロートの長さまではわかりません。
シャンクエンドを見ると、明らかに中川モデルの方が分厚くなっているので、バックボアがタイトであることがわかります。
マウスピースの迷走は続くよどこまでも(^^;
ここまででは中川モデル11C4が一番使いやすく感じたのですが、若干音程が悪い感じがすること、音質があまり明るくないこと、吹き込んで上達して行くうちに息が詰まる感じになってきたことから常用モデルにはなりませんでした。
マウスピース選びの旅というか迷走はまだまだ続きます(^^;
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