ど素人が選んだマウスピース
プロの演奏家ではない、アマチュアの演奏家でもない、趣味程度にしか吹かないど素人が使っているマウスピースなんて、何の参考にもならないかもしれませんが、書きたかった記事なので書きます(^^;
なお、私のマウスピースの選び方ですが、近くに楽器店がなくて試奏ができないため、試奏せず、全てネットで購入しています。
よい子の皆さんは真似しないで、ちゃんと試奏してから購入してください(^^;
バック(Vincent Bach)のコピー品
これについては、以前の記事をご参照ください。
なお、現在このマウスピースは、演奏用としては使っていません。
バック(Vincent Bach)5V
上の記事で、バックのコピー品の次に本物のバック3Cを購入したかのように書きましたが、実は、一番最初に買ったバックのマウスピースは、この5Vでした。
トランペットのマウスピースというのは、カップの形状がU字型(Uカップ)であるものが多いのですが、これはVカップのマウスピースです。
バックの中でもVカップなのは、この5V(Very deep)と、5MV(Medium deep)、5SV(Shallow)の3つだけです。
この5Vシリーズは、スロートが、5VはNo.20(4.09mm)、5MVと5SVはNo.25(3.81mm)となっており、他のマウスピースのNo.27(3.66mm)よりも大きく、バックボアもNo.25と、大きい仕様になっています。
何故一般的な7Cや5Cや3Cではなく、このような特殊なマウスピースを買おうと思ったのか?
それは、クラウド・ゴードン(Claude Gordon)氏の著作「金管演奏の原理」の訳者で、同氏の愛弟子である、杉山正(すぎやま まさし)がお勧めしていたからです。
フリューゲルホルンのような音色
私がトランペットを買う前、実は、トランペットよりもフリューゲルホルンが欲しかったのですが、マックコーポレーションの有賀圭さんに相談したところ、最初はトランペットの方がよいのでないかとのアドバイスをいただき、トランペットを購入した経緯があります。
バック5Vは、フリューゲルホルンのマウスピースと同じような形状なので、フリューゲルホルンのような柔らかくて甘い音がトランペットで出せるということも、このマウスピースを選んだ理由の一つです。
実際使ってみると、確かにそういう音が出て、たいへん気に入っていたのですが、どうも高音が出にくいような気がするのと、スロートが大きいせいなのか、バテやすい気がして、バック3Cの本物を買うことにしたのでした。
バック(Vincent Bach)3C
素人の私には、コピー品の3Cとの区別が付きませんが(^^;、5Vとは全く違う明るい音がします。
ペダルを含む低音も、高音(五線の上の実音Gまでですが…)も出しやすいです。
ルディー・マック(Rudy Mück) 19C
これはヴィンテージ・マウスピースで、その昔(1960年代)、ニニ・ロッソが使用していたものと同じタイプのマウスピースです。
現在も同じ型番のものが発売されているようですが、全く別物になります。
サイズはググッてみると、サイトによって微妙に異なりますが、リム内径はバック1 1/2Cくらい(17.0mm)で、スロート径はNo.26(3.74mm)くらいだそうです。
リム幅が非常に厚い、クッションリムになっています。
なぜ、こんな古いマウスピースなのかと言うと、たまたまあるラッパ吹きの方のブログを見て、その音を聞いて、一耳で(?)気に入ってしまったからです。
そのブログはこちら↓
ただ、このようなセミプロの人がいい音を出せるからと言って、ど素人に同じ音が出せるとは限りません。
というか、出せません(^^;
大きくて明るく豊かな音色
とりあえず、使ってみた感想としては、まず、クッションリムが非常に心地よいです。
リム径が大きいのに、高音が出しやすいです。
非常に音量が大きく、明るい響きの音がします。
これを豊かな音とか、倍音が多いとでも言うのでしょうか、バック3Cよりも好きな音色です。
しかし、難点があって、私のトランペットでは、フォルテで吹くと音割れが生じてしまいます。
ライトウェイトタイプのトランペットだからか、単に吹き方が悪いのか…。
今は出番がありませんが、非常に貴重なマウスピースなので、手放さず、将来、ヘビーウェイトタイプのトランペットを買った時のために取っておこうと思っています。
ベストブラス(Best Brass)グルーヴ(Groove)3C 改
私がマウスピース選びを始めた時に、一番最初に候補に挙がったのが、ベストブラスのグルーヴシリーズです。
ホームページで説明を読んでいると、大変素晴らしいことばかり書いてあるので、すごく欲しくなりました。
しかし、初心者が最初に選ぶマウスピースとしては特殊で高価だったので、第一選択から外しました。
その後、バック3C等で練習していて、何だか物足りないような気がしていたところに、このベストブラス・グルーヴ3C改の新発売情報が飛び込んできて、「これだ!」と思い、発売当日に購入してしまいました。
このマウスピースについての説明です(ベストブラスのホームページより引用)
グルーヴシリーズに新たに追加されたトランペット用モデル3品番(TP-1C改/3C改/5C改)には、上写真の通り特殊なリング状加工が施してあります。これが、ベストブラスが新たに開発した「アクセラレータ: Accelerator」です。
上述の「グルーヴ」は、全音域に渡り唇の振動を補助しますが、「アクセラレータ」は、特に高音域でその効果を発揮し、文字通り、唇の振動を促進させるのです。
この新機構「アクセラレータ」を採用した「改」モデルは、グルーヴシリーズ(TP)のCカップの持つ堂々とした音色、吹き易さはそのままに、これまでよりも約5度上の音域まで駆け上がれる(*)という、革新的なモデルです。もちろん、口当たりも驚くほど違和感なく演奏できるようにデザインされているので安心です。是非一度お試しください。
(*)開発直後に行った自社調査では、試奏した中で約75%の人がその効果を実感できたという結果でした。但し、唇がカップ内に深く入る人や、強く押しつけてしまうと、「アクセラレータ」に唇が当たってしまい全然吹けないという方もいらっしゃいました。
唇がカップに当たってしまう
リムの形状はフラットで、クッションリムではありませんが、感触は心地よいです。
型番が3Cということで、バック3Cと同じリム内径(※ベストブラスのカタログでは16.85mm)のようですが、「アクセラレータ」があるため、上記説明の(*)にあるように、唇が「アクセラレータ」に当たってしまい、実際の内径は3Cよりもだいぶ小さく感じます。
(※バックのカタログでは、3Cのリム内径は16.30mmとありますが、実測では16.88mm前後のようです。)
このためなのか、最初は全然音が鳴りませんでしたが、慣れてくると鳴らせるようになりました。
説明文には、5度上の音まで出せると書いてありますが、私の場合、五線の上の実音Gが限界だったのが、その上のB♭(3度上)まで楽に出るようになったので、確かに高音は出しやすいです。
低音がうまく鳴らせない
しかし、それと引き換えに、低音がうまく出せなくなってしまいました。
それと、浅めのVカップのせいなのか、倍音が少なく、貧弱な音に聞こえます。
さらに、この特殊なデザインのため、私のトランペットには似合いません。
というわけで、このグルーヴ3C改は、数回使っただけでお蔵入りとなりました。
今後使うことはないので、近々ヤフオクに出そうと思います。
アトリエモモ 14C VL
以下、アトリエモモのホームページより引用(※脚注あり)
開発のコンセプト
世の中には重い物から軽い物まであり、楽器や奏者とのバランスで好みに適した商品を選べます。
しかし重い商品は重量感のあるしっかりした音ですが、長時間の演奏では疲れやすい。
軽い商品は吹きやすく長時間の演奏も楽ですが、音の芯がなく傍鳴りしやすい。MOMOのVLシリーズはその問題を解決しようと取り組みました。
アトリエモモ独自の技術【音響処理】を施すことにより反応よく軽やかに吹け
音に芯もありホールの遠くまで音を届けられる。。。
重量をMOMO通常の2/3まで減らすことにより楽器を鳴らすための労力も2/3で済みます。
あとの1/3は自由な音楽表現にお使いください。
この説明を読んで、このマウスピースが、私のライトウェイトのトランペットに最も適しているのではないかと考え、購入を決めました。
リム内径は16.88mm、カップの深さはMedium、スロートは3.72mm(No.26くらい)となっています。
上の方でも書いたように、バック3Cのリム内径の公称値は16.30mmとなっていますが、これはかなり怪しく、信用できません(^^;
実際は16.88mmくらいであると思われます。
なので、このマウスピースはバック3C相当となります。
軽い吹け上がりで楽に鳴らせる
実際吹いてみると、リムやカップの形状は、3Cと全く違和感がありません。
そして、上の説明にもあるように、軽い吹け上がりで、高音も楽に出るような気がします。
現在のメインマウスピースとなっています。
※注)アトリエモモについて
アトリエモモ(Atelier MOMO)はヤマハ社員だった河村百丈さんが1999年にヤマハを退職した翌年の2000年に設立した会社です。
2019年にサックスやクラリネットのリガチャーを製造販売する「リガチャー工房MOMOLIGA」と、金管楽器のマウスピースを製造販売する「Brass Lab. MOMO」に業務が分割されました。
創業者の河村さんは前者に残り、後者はアトリエモモのスタッフだった中井浩貴さんが引き継いでいます。(2020年9月30日更新)
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